フィレンツェ観光はまだ残っていますが、今回は、フィレンツェ近郊にある、シエナ、サン・ジミニャーノという2つの街を日帰りで訪れた際の写真をお届けします。
どちらの街も、フィレンツェからバスで1時間~1時間半ほどの場所にあり、そして、世界遺産に登録された街並みが魅力的です。
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シエナの街の様子(トイカメラ風に加工してみました。) |
<シエナの街>
シエナ Siena は、大学、音楽院、イタリア語学校などのある学問と芸術の街でもあり、絵画ではシエナ派というのもあるそうです。私は絵画には造詣が全くないので、良く分かりませんが…。
シエナの歴史地区が世界遺産(文化遺産)に指定されています。
シエナは、フィレンツェから直行するバスで1時間15分くらいの場所にあります。フィレンツェのバスターミナルは、ビルの中に入っているので、ちょっと分かりづらいです。チケットを買って、バスを待っていると、2階建てのバスでした。順番待ちをしていたグループが2階席の先頭に座っていましたが、先頭ではなくとも十分、景色を楽しむことができました。
シエナの街のバスターミナルは、グラムシ広場 P.za Gramsci という場所にあり、旧市街からは徒歩で行ける距離です。
旧市街の中心は、市庁舎であるプッブリコ宮 Palazzo Comunale (Pubblico) のあるカンポ広場 Plazza del Campo までは、旧市街を歩いて行きます。その際に通るバンキ・ディ・ソプラ通り Via Banchi di Sopra は、街のメインストリートで、通り沿いの建物はどれも歴史を感じさせます。
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新年早々なので、クリスマスからの飾りが残っている。 |
<プッブリコ宮とカンポ広場>
通りをしばらく歩いていくと、大きな広場に出て、プッブリコ宮が見えます。その前に広がるのがカンポ広場です。
カンポ広場は、シエナの街の中心で、プッブリコ宮に向かって扇のような形をしており、中心へ傾斜しています。7月と8月の2回、パリオ Palio と呼ばれる競馬が開催され、街は熱狂に包まれるのだとか。
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プッブリコ宮とカンポ広場。 |
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カンポ広場。左にあるプッブリコ宮に向かって傾斜している。 |
<マンジャの塔>
このプッブリコ宮は、13世紀末から14世紀前半にかけて建築されています。向かって左側のマンジャの塔 Torre del Mangia は14世紀半ばの建築です。102メートルの高さを誇り、上ることができます。
塔へは石造りの階段を上ることになります。狭いですが、頑丈なので、怖いという感じはありません。
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マンジャの塔の階段。ずっと下まで続いている。 |
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階段を見上げたところ。 |
マンジャの塔からは、シエナの街が一望できます。街並みの様子はもちろん、カンポ広場がどのような形をしているのか、よくわかります。そして、街の外側には、トスカーナの風景が広がっています。
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カンポ広場の様子が良く分かる。 |
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街の外は、トスカーナののんびりとした風景が広がっている。 |
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右奥には、ドゥオモが見える。 |
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途中にも眺望の良い場所がある。 |
マンジャの塔から降りて、再びカンポ広場へ。下から撮影すると、傾斜していることが良く分かります。
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堂々としたプッブリコ宮。 |
<ドゥオモ>
プッブリコ宮の観光を終え、次はドゥオモに向かいます。
途中、洗礼堂 Battistero di San Giovanni の前を通ります。洗礼堂はドゥオモの裏側にあり、そのファサードは未完成です。たしかに、手の込んだ装飾が施された1層目と、装飾が少ない2層目では、造りこみの程度が全く違います。
洗礼堂の左側の階段を上ると、ドゥオモのある広場に出ます。この階段、意外に傾斜が急で辛いです。
紺の横縞が特徴的で、後ろの青い空に良く映えます。これだけずっと見ていても、飽きることの無い美しさですね。
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正面から見たドゥオモ |
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ドゥオモとその周辺の広場 |
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ドゥオモを横から見たところ |
ドゥオモは12世紀中盤に建設が始まり、200年にもわたって工事が続いたといいます。途中、シエナ人の繁栄と勢力が頂点にあった1348年、新たなドゥオモの建設が始まり、ペストなどにより中断されるということもあったものの、1382年に後陣も完成しました。
この美しさは、フィレンツェのドゥオモと比較しても決して引けを取らないものだと思います。そして、その内部も、やはり横縞が印象的です。柱はことごとく横縞模様となっており、また、天井も装飾が施されています。
外観も内部も横縞で統一されているのは、印象を強めていると思います。
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主祭壇 |
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クーポラも細部まで装飾されている。 |
<サンタ・マリア・スカラ救済院>
ドゥオモのそばに、サンタ・マリア・スカラ救済院 Spedale Santa Maria della Scala があります。
救済院は、9~11世紀に、旅行者や巡礼者、貧しい人々を救済されるために建設された、ヨーロッパ最古の病院です。
そのハイライトは、歴史とサンタ・マリア・スカラの一生を描いた15世紀のフレスコ画がある巡礼の間 Sala Pellegrinaio です。
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巡礼の間 |
巡礼の間も含め、救済院は見所も多いかと思いますが、内部は暗いところも多く、迷いそうでした。また、古い建物の構造がそのままになっており、そもそも病院という建物の性格から、幽霊でも出てきそうな雰囲気もありました。(見てはいませんけど。。。)
<市立美術館へ>
ドゥオモと救済院の見学を終え、カンポ広場に戻り、プッブリコ宮2階にある市立美術館に入ります。
絵画のほか、部屋そのものも展示の対象です。
ヴィットリオ2世の間/リソルジメントの間 Sala Vittorio Emanuele Ⅱ/ Sala del Risorgimento は、イタリア統一を実現した初代イタリア国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の生涯を描いたフレスコ画が描かれています。大きな部屋で、床も大理石で豪華です。
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ヴィットリオ2世の間 |
執権(バーリア)の間 Sala del Risorgimento は、ここで集会を開いた執権の役人たちの会から名づけられた部屋です。
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執権の間。 |
正面には、シモーネ・マルティーニの『荘厳の聖母』が描かれています。
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世界地図の間。奥にはシモーネ・マルティーニの『荘厳の聖母』。 |
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世界地図の間に隣接して、礼拝堂があります。全ての面にフレスコ画が描かれ、壮麗です。
その横の壁に沿って、木製の聖職者祈祷席があります。
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礼拝堂と祈祷席 |
<再びカンポ広場へ>
中庭を通り、美術館の外に出ます。
カンポ広場の人も増えてきました。街の中心だけあり、賑やかです。
カンポ広場には、ガイアの泉があります。ただ、これはコピーで、本物は救済院に置かれています。
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ガイアの泉 |
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