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2015年11月29日日曜日

2014年末のイタリア旅行 (25) フィレンツェからシエナとサン・ジミニャーノへの日帰り旅行②(サン・ジミニャーノ)

 2014年末・年始にイタリアに旅行した際の写真などをお届けします。

 フィレンツェ観光はまだ残っていますが、今回は、フィレンツェ近郊にある、シエナ、サン・ジミニャーノという2つの街を日帰りで訪れた際の写真をお届けします。
 シエナの街はもっとゆっくり見ていたくなる素晴らしい街でしたが、もう一つの世界遺産の街、サン・ジミニャーノ San Gimignano に向かいます。

 サン・ジミニャーノは塔の街。かつて、その財力を誇るために競うように塔が建てられたそうです。壊されるものもありますが、まだ多くの塔が残っており、中には上れるものもあります。
 「小さな街にニョキニョキと塔がそびえる姿を見てみたい!」ということで、今回、訪れることを決めました。フィレンツェからバスで1時間半程度という距離も便利です。



<シエナからサン・ジミニャーノへのバス>

 シエナからサン・ジミニャーノへは、直通バスで1時間ほど。グラムシ広場 P.za Gramsci から乗ります。発車予定時刻になってもバスが来ないのは、イタリアらしいとは言えますが、少し心配になります。他の白人の観光客も、明らかに旅行者である私に「サン・ジミニャーノ行きはこの場所で合っているのか?」と聞いてくる始末。しばらくすると、ちゃんとバスは来ました。


<サン・ジミニャーノの街>

 バスがサン・ジミニャーノに近づくと、周りはどんどん、のどかな風景に変わっていきます。結構な山の中にあることも分かります。かつての発展は、2つの街道が交わっていたことによるものらしいのですが、今はかなり交通が不便です。

 サン・ジミニャーノへのバスは、街の入口まで来ます。街は城壁に囲まれ、いかにも中世の都市という雰囲気です。この城壁は長さ2,176メートルにも及び、16世紀に円柱形の塔が設置され、より堅固になりました。

2キロ以上にわたって建設されている城壁。左には円柱形の塔が見える。

右奥に見えるのがサン・ジョヴァンニ門。

<いざ、城壁の向こうへ!>

 城壁の中には、サン・ジョヴァンニ門 P.ta S.Giovanni から入ります。この門は、1237年に建設されたのち取り壊され、1262年に新たに建設されました。

サン・ジョヴァンニ門


サン・ジョヴァンニ門を内部から見たところ。
 城壁の中は、まさに中世!
 車も入れない狭い道の両側に、古い街並みが広がっています。



 目抜き通りであるサン・ジョヴァンニ通りを進んでいくと、正面に最初の塔が姿を現します
 気持ちも高揚し、写真を撮りまくります。



 ベッチのアーチをくぐると、街の中心であるチステルナ広場 P.za d. Cisterna に出ます。


ベッチのアーチ。このアーチをくぐると、チステルナ広場。

<チステルナ広場>

 チステルナ広場は、街の中心です。サン・ジミニャーノの街の原型は、約1,000年ごろにこのあたりにできたのだとか。11~12世紀にかけて街も拡張し、13世紀には自治都市化しています。主だった広場や建物はこの時期に建てられたものです。
 広場の中央にある井戸は1237年に設置され、そのへりには水をくみ上げるために使われた鎖によってできた溝の跡が残っています。








<ドゥオモ(参事会教会)>

 チステルナ広場を過ぎて街の奥に歩いていくと、ドゥオーモ広場 Piazza del Duomo にたどり着きます。この広場の主役はもちろん、ドゥオモです。



ドゥオモ広場の様子を参事会教会からみたところ。

正面右はポデスタ宮。

左側がポポロ宮、右側が参事会教会。
ドゥオモ(参事会教会 Collegiata (Duomo) ) は11世紀に建設され、1148年の2度目の奉納の際、教皇エウジェニオ3世によって聖母マリアに捧げられたとのことです。
 内部は貴重な芸術作品で飾られるとともに、柱のアーチはシエナと同様、横縞が入り、アクセントになっています。シンプルな外観とは対照的に、豪華な内部です。
 残念ながら、内部は写真撮影禁止ですので、ぜひ、ご自身の目で見ていただきたいと思います。




<ポポロ塔と塔>

 13世紀に建設されたポポロ宮 Palazzo del Popolo は、現在は市庁舎、市立美術館になっています。また、脇には大きな塔 Torre Grossa がそびえており、これには上ることができます

ポポロ宮の塔。ここに上ることができる。

 塔の階段は鉄骨で、実に近代的です。傾斜も緩やかで、安全・快適に上ることができます。


 頂上には、鐘が設置されています。
 そして、頂上からはサン・ジミニャーノの街が一望できます。
 周りに何もない中、塔のそびえるサン・ジミニャーノがあることが良く分かります。最盛期には72もの塔があったようですが、今ではだいぶ減ってしまっています。この数でも結構、多いなと感じますが、最盛期の姿はかなり異様だったことでしょう。




手前左にポデスタ宮、右奥のチステルナ広場が見えます。





<サン・ジミニャーノの街の様子>

 ドゥオモ広場をさらに北に進むと、サン・マッテオ通りという、こちらもサン・ジミニャーノでは大きな通りです。
 世界遺産に登録されるだけあり、街のどこもかしこも中世!という雰囲気に包まれています。今回は駆け足での訪問でしたが、時間に余裕がある方であれば、ゆったりと滞在するのも良さそうです。






<サン・ジミニャーノからフィレンツェへ>

 サン・ジミニャーノの観光を終え、フィレンツェに戻ります。
 フィレンツェへは良い時間の直通バスが無かったので、ポッジ・ポンシで乗り換えることになります。サン・ジミニャーノにはバスのオフィスはなく、タバッキやバルでバスのチケットを買うことになります。
 バスに乗り込むと、もう日が沈むころでした。

サン・ジミニャーノからポッジ・ポンシに向かうバスから撮影。携帯なので余りうまく撮れない。。。



<トラットリア・アルフレードで夕食>

 フィレンツェに戻ると日も沈み、夕食にちょうど良い時間となりました。
 ガイドブックを参考に、アルフレード Alfredo という庶民的なトラットリアで食べました。トスカーナ産の生ハムとビステッカ・フィオレンティーナがおススメとのことなので、それらをチョイス。
 こうやってみると、明らかに日本人の食べる量を超えています。美味しいのですがね。
 ただ、ワインの国だけあって、ハーフボトルが豊富に用意されているのはありがたいです。









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2015年11月23日月曜日

2014年末のイタリア旅行 (24) フィレンツェからシエナとサン・ジミニャーノへの日帰り旅行①(シエナ)

 2014年末・年始にイタリアに旅行した際の写真などをお届けします。

 フィレンツェ観光はまだ残っていますが、今回は、フィレンツェ近郊にある、シエナ、サン・ジミニャーノという2つの街を日帰りで訪れた際の写真をお届けします。
 どちらの街も、フィレンツェからバスで1時間~1時間半ほどの場所にあり、そして、世界遺産に登録された街並みが魅力的です。

シエナの街の様子(トイカメラ風に加工してみました。)

<シエナの街>

 シエナ Siena は、大学、音楽院、イタリア語学校などのある学問と芸術の街でもあり、絵画ではシエナ派というのもあるそうです。私は絵画には造詣が全くないので、良く分かりませんが…。
 シエナの歴史地区が世界遺産(文化遺産)に指定されています。

 シエナは、フィレンツェから直行するバスで1時間15分くらいの場所にあります。フィレンツェのバスターミナルは、ビルの中に入っているので、ちょっと分かりづらいです。チケットを買って、バスを待っていると、2階建てのバスでした。順番待ちをしていたグループが2階席の先頭に座っていましたが、先頭ではなくとも十分、景色を楽しむことができました。

 シエナの街のバスターミナルは、グラムシ広場 P.za Gramsci という場所にあり、旧市街からは徒歩で行ける距離です。
 旧市街の中心は、市庁舎であるプッブリコ宮 Palazzo Comunale (Pubblico) のあるカンポ広場 Plazza del Campo までは、旧市街を歩いて行きます。その際に通るバンキ・ディ・ソプラ通り Via Banchi di Sopra は、街のメインストリートで、通り沿いの建物はどれも歴史を感じさせます。


新年早々なので、クリスマスからの飾りが残っている。






<プッブリコ宮とカンポ広場>

 通りをしばらく歩いていくと、大きな広場に出て、プッブリコ宮が見えます。その前に広がるのがカンポ広場です。

 カンポ広場は、シエナの街の中心で、プッブリコ宮に向かって扇のような形をしており、中心へ傾斜しています。7月と8月の2回、パリオ Palio と呼ばれる競馬が開催され、街は熱狂に包まれるのだとか。


プッブリコ宮とカンポ広場。

カンポ広場。左にあるプッブリコ宮に向かって傾斜している。

<マンジャの塔>

 このプッブリコ宮は、13世紀末から14世紀前半にかけて建築されています。向かって左側のマンジャの塔 Torre del Mangia は14世紀半ばの建築です。102メートルの高さを誇り、上ることができます。
 塔へは石造りの階段を上ることになります。狭いですが、頑丈なので、怖いという感じはありません。

マンジャの塔の階段。ずっと下まで続いている。

階段を見上げたところ。



 マンジャの塔からは、シエナの街が一望できます。街並みの様子はもちろん、カンポ広場がどのような形をしているのか、よくわかります。そして、街の外側には、トスカーナの風景が広がっています。


カンポ広場の様子が良く分かる。

街の外は、トスカーナののんびりとした風景が広がっている。

右奥には、ドゥオモが見える。
途中にも眺望の良い場所がある。
 


 マンジャの塔から降りて、再びカンポ広場へ。下から撮影すると、傾斜していることが良く分かります。


堂々としたプッブリコ宮。

<ドゥオモ>

 プッブリコ宮の観光を終え、次はドゥオモに向かいます。
 途中、洗礼堂 Battistero di San Giovanni の前を通ります。洗礼堂はドゥオモの裏側にあり、そのファサードは未完成です。たしかに、手の込んだ装飾が施された1層目と、装飾が少ない2層目では、造りこみの程度が全く違います。


 洗礼堂の左側の階段を上ると、ドゥオモのある広場に出ます。この階段、意外に傾斜が急で辛いです。



 
ついにドゥオモ Duomo/ Cattedrale とご対面です。
 紺の横縞が特徴的で、後ろの青い空に良く映えます。これだけずっと見ていても、飽きることの無い美しさですね。

正面から見たドゥオモ
ドゥオモとその周辺の広場

ドゥオモを横から見たところ
 ドゥオモは12世紀中盤に建設が始まり、200年にもわたって工事が続いたといいます。途中、シエナ人の繁栄と勢力が頂点にあった1348年、新たなドゥオモの建設が始まり、ペストなどにより中断されるということもあったものの、1382年に後陣も完成しました。
この美しさは、フィレンツェのドゥオモと比較しても決して引けを取らないものだと思います。

 そして、その内部も、やはり横縞が印象的です。柱はことごとく横縞模様となっており、また、天井も装飾が施されています。
 外観も内部も横縞で統一されているのは、印象を強めていると思います。







主祭壇


クーポラも細部まで装飾されている。



<サンタ・マリア・スカラ救済院>

 ドゥオモのそばに、サンタ・マリア・スカラ救済院 Spedale Santa Maria della Scala があります。
 救済院は、9~11世紀に、旅行者や巡礼者、貧しい人々を救済されるために建設された、ヨーロッパ最古の病院です。



 そのハイライトは、歴史とサンタ・マリア・スカラの一生を描いた15世紀のフレスコ画がある巡礼の間 Sala Pellegrinaio です。

巡礼の間



 巡礼の間も含め、救済院は見所も多いかと思いますが、内部は暗いところも多く、迷いそうでした。また、古い建物の構造がそのままになっており、そもそも病院という建物の性格から、幽霊でも出てきそうな雰囲気もありました。(見てはいませんけど。。。)











<市立美術館へ>

 ドゥオモと救済院の見学を終え、カンポ広場に戻り、プッブリコ宮2階にある市立美術館に入ります。


  絵画のほか、部屋そのものも展示の対象です。

  ヴィットリオ2世の間/リソルジメントの間 Sala Vittorio Emanuele Ⅱ/ Sala del Risorgimento は、イタリア統一を実現した初代イタリア国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の生涯を描いたフレスコ画が描かれています。大きな部屋で、床も大理石で豪華です。

ヴィットリオ2世の間



 執権(バーリア)の間 Sala del Risorgimento は、ここで集会を開いた執権の役人たちの会から名づけられた部屋です。

執権の間。



世界地図の間 Sala del Mappamondo は、かつて地図が描かれていたことから、その名がついています。今はその地図は存在していませんが、部屋の名だけが残っています。この部屋は市庁舎で最も広い空間で、シエナ共和国の評議会も開催されたそうです。
 正面には、シモーネ・マルティーニの『荘厳の聖母』が描かれています。

世界地図の間。奥にはシモーネ・マルティーニの『荘厳の聖母』。








  世界地図の間に隣接して、礼拝堂があります。全ての面にフレスコ画が描かれ、壮麗です。
 その横の壁に沿って、木製の聖職者祈祷席があります。

礼拝堂と祈祷席



<再びカンポ広場へ>

 中庭を通り、美術館の外に出ます。


 カンポ広場の人も増えてきました。街の中心だけあり、賑やかです。


 カンポ広場には、ガイアの泉があります。ただ、これはコピーで、本物は救済院に置かれています。

ガイアの泉



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